不動産売却における契約不適合責任とは?注意点についても解説

2022-03-17

不動産売却における契約不適合責任とは?注意点についても解説

この記事のハイライト
●契約内容と実際の不動産の品質に違いがあれば、契約不適合責任に問われる
●法改正によって瑕疵担保責任よりも売主側に求められる責任が大きくなった
●免責内容や時効についても売買契約書にしっかりと記載しておく必要がある

不動産を売却するのであれば「契約不適合責任」について知っておく必要があります。
契約不適合責任とは、売却した不動産に不具合などがあった場合に、売主が負うべき責任のことです。
ここでは、契約不適合責任とは具体的にどのような内容なのか、そして瑕疵担保責任との違いや注意点についても解説します。
さいたま市や越谷市で不動産売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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不動産の売却時に知っておくべき契約不適合責任とは

不動産の売却時に知っておくべき契約不適合責任とは

契約不適合責任とは、これまで「瑕疵担保責任」という名前で呼ばれていた制度のことです。
2020年4月に民法改正がおこなわれ、制度の見直しや追加をしたうえで契約不適合責任として生まれ変わりました。

契約不適合責任の概要とは

不動産をはじめとする売買契約において、買主に引き渡した商品の内容が契約した「種類」「品質」「数量」などと異なっていた場合に、売主側が負うべき責任を契約不適合責任と呼びます。
不動産売買の際に責任を問われる可能性が高い項目は「品質」についてです。
よくある内容としては、給排水管の劣化が原因の水漏れや、天井からの雨漏り、シロアリ被害、家の傾きについてなどでしょう。
こういった不動産の不具合箇所などを事前に買主に伝えていなかった場合、買主は売主に対して目的物の引き渡しを求める権利を与えられています。
ただし契約不適合責任では、「不具合がある不動産を売却したこと」に対して責任が問われるのではなく、「契約内容と実物の状態が異なっていたこと」に対して責任が問われます。
そのため、売主としては売却前に不動産の状態を正しく把握し、その内容をしっかりと売買契約書に記載しておくことが重要になります。

契約不適合責任における買主の権利とは

契約不適合責任では、買主側に5つの権利が認められています。
買主の権利1:追完請求
追完請求とは、契約した内容と同じ状態の不動産を請求できる権利です。
契約内容と実際の不動産の品質が異なっていた場合に権利が認められており、具体例としては、契約内容と合致させるための不具合箇所の補修に要した費用を売主に請求できます。
不動産売買においてはあまり見かけないケースですが、契約内容と見合った別の現物を請求することも可能です。
買主の権利2:代金減額請求
代金減額請求とは、買主が示した期限までに売主が補修対応などを実施しなかった場合、売主に対して不動産売却価格の減額を請求できる権利のことです。
そのため、原則としては追完請求に売主が応じなかった場合にのみ認められています。
ただし、「契約書の内容より土地が狭い」といった場合は補修や修繕などの対応で解決ができないため、追完請求をせずに代金減額請求をおこなうことが可能です。
買主の権利3:催告解除
催告解除とは、買主の追完請求に売主が応じなかった場合、催告をしたあとで契約解除ができる権利のことです。
売主が追完請求に応じない場合の対応として代金減額請求があると先ほどお伝えしましたが、代金を減額するだけでは安心して不動産を購入できないという買主も多く、催告解除を選択するケースも珍しくありません。
契約締結後に契約を解除をすると違約金が生じる通常の不動産売買とは異なり、催告解除の場合は無条件で購入代金の返還を求めることができます。
買主の権利4:無催告解除
無催告解除とは文字どおり、催告なしに契約解除ができる権利のことです。
「瑕疵担保責任」のなかで「契約解除」と呼ばれていた内容を引き継いでおり、契約の目的が達成できない、あるいは追完請求の履行が不可能と買主が判断した場合に権利が認められています。
買主の権利5:損害賠償
不動産売却における買主の信頼利益と履行利益に損害が発生した場合には、損害賠償を請求する権利が認められています。
信頼利益とは不動産売買のための登記費用や契約準備費用のことであり、履行利益とは契約が履行されていれば買主が得られていたと想定される利益のことです。
具体的な履行利益の内容とは、不動産の転売利益や営業利益などを指します。

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不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いとは

不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いとは

前述したように、「契約不適合責任」は「瑕疵担保責任」の内容をブラッシュアップする目的で2020年4月に改正されました。
では、契約不適合責任には瑕疵担保責任の内容とどのような違いがあるのでしょうか。
重要な違いとしては、瑕疵担保責任では買主が通常の注意をはらっていても発見できなかった「隠れた瑕疵」に対して責任が生じていたのに対し、契約不適合責任では「契約内容と異なる不具合や欠陥」に対して責任を問われることです。
瑕疵とは、通常は備わっているはずの品質や性能を欠いていることを指します。
瑕疵担保責任では、その瑕疵が発見しにくいものであったかどうかの判断が難しく、裁判で立証しづらい点がたびたび問題となっていました。
その点、契約不適合責任では「瑕疵」が「契約内容に適合しないもの」という文言に修正されたうえ、契約書の内容がすべての判断基準となるため、責任の所在が明確にされたといえます。
ただし、「契約書に記載がない不具合や欠陥」があれば売主が責任を負うことになるので、売主は不動産売却前に不動産の状態を確実に把握しておかなければなりません。
もうひとつの大きな違いとしては、買主に認められた権利の内容です。
前項で解説した契約不適合責任における買主の5つの権利のうち、「追完請求」と「代金減額請求」は瑕疵担保責任にはありませんでした。
これらの違いから、民法改正によって不動産売買で売主側に求められる責任が大きくなったこと、そして買主側に認められる権利が増えたことがわかります。
不動産売却において、売主にはより慎重な姿勢が求められるようになったと考えておきましょう。

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不動産の売却時に知っておくべき契約不適合責任の注意点とは

不動産の売却時に知っておくべき契約不適合責任の注意点とは

不動産売却で契約不適合責任に問われないための、いくつかの注意点について解説します。

契約不適合責任に問われないための注意点1:任意の時効を設定する

契約不適合責任では、買主が売主に対してその責任を問うための期限が設けられています。
通常、買主は不具合に気付いてから1年以内に売主に通知しなければなりません。
しかし、買主が同意しているのであれば、売買契約書に通知期間を記載することで期限を短く設定することも可能です。
過去の例にならい、3か月に設定するケースが多くなっています。

契約不適合責任に問われないための注意点2:免責部分について記載する

中古不動産の場合、給湯器やインターホンなどの設備に関しては何らかの不具合が生じていても不思議ではないため、契約不適合責任の対象外とするケースが一般的です。
設備の一つひとつに関して細かく契約不適合責任を適用させていると、スムーズな不動産売買の妨げとなってしまう可能性もあります。
設備を契約不適合責任の対象外とする場合には、その旨を契約書に記載しておきましょう。
また、対象外になるとはいえ、ご自身で把握している設備の不具合に関しては事前に買主に伝えるようにしてください。

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まとめ

2020年に施行された契約不適合責任によって、売主の責任がより明確に問われることとなりました。
気持ち良く不動産売却を進めるためにも、制度の内容や注意点について事前にしっかりと把握しておきましょう。
さいたま市や越谷市で契約不適合責任が絡む不動産売却をお考えの方は、「永大」までお気軽にご相談ください。

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